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最高の夏休み・其の一
ことの始まりは旦那の一言でした。「俺、今子供が出来ても感動しないと思う。」結婚して1年と数ヶ月経った頃でした。
当時旦那は、ある会社の社員で外回りをしており、精神的に追い詰められているのは分かっていました。もともと感情を余り出さない人だったけれど、それにしたって子供が出来て感動しないってのはあんまりだ!!と思いました。ただでさえ親戚からは「そろそろ…」」みたいな言われ方をし始めていましたし。
「そんなに仕事が辛かったら辞めればいいじゃん!!」とコトあるごとに言っていた私も若かったのかもしれません。ついでに私も結婚して住んだ旦那の故郷に友達が一人も居ず、淋しかったのも確かです。
そんな10月のある日、旦那が新聞の一面広告を持ってきて「これに行ってみようと思う。」と言いました。見ると「北海道で農業をしてみませんか!!」という内容。もともと自然大好き!!アルプスの少女ハイジに憧れていた私だったので、一も二も無く大賛成!!11月3日、説明会に出かけました。
結構広い会場。集まっている人はゆうに100人はいました。まずその大盛況ぶりに驚いてしまい、隅っこの席で話を聞きました。
内容は農協や町村の代表者が、自分の町村の特徴を話し(あからさまに『花嫁募集です』的な村もありました)、新規で就農した体験談もありました。質問のディスカッションも皆熱く、私たちのテンションも上がりました。二人とも動物が好きだったので「就農するとしたら酪農だよね」などと言いつつ、研修希望の紙を提出。その日は新規就農者向けの本を買い、家に帰りました。
で、2週間ほど経った頃、道東のある村の牧場でで、酪農研修をしないかという電話が来ました。
牧場のの奥さんが年明けに東京へ行くので、そこでついでに面接を受けたらとのことでした。
丁度その頃、私の妊娠も発覚しました。旦那がどんな顔をするか、多少不安でしたが、それなりに嬉しそうな顔を見せたので、北海道へ行く話が、少しは彼の精神を安定させているのかも…と思いました。
それから年が明けるまで、色々な本を読んだり調べたりしましたが、全くの素人がやっていけるものか不安でした。でもそれよりも「やってみたい!!」気持ちの方がはるかに大きく、自分の未来にわくわくしていました。
そして会った牧場の奥さんも、とても気さくな方で「不安なこともあると思うけれど、できるだけサポートしますよ。」と言ってくれました。彼女たちも、20数年前に新規で就農した方でした。
もうあとはやってみるしか無い。駄目でもともと、とにかく北海道に行くことになりました。
1997年2月で旦那は退職し、まだ雪の残る3月、私たちはフェリーで北海道に渡りました。(某所の某方々、旦那が路肩で埋まったのはこの時です)
続く